もし、あなたが乗りたいバイクが普通二輪免許では運転できないほど排気量が大きい場合、いきなり大型二輪免許を取る方が効率的だと考えるかもしれません。まず最初に確認すべきは、それが法的に可能かどうかという点です。
結論としては、普通二輪免許を取得せずに、直接大型二輪免許を取得することは可能です。しかし、これはあまり推奨される方法ではありません。大型二輪免許を取得すれば、中型免許で乗れるバイクも含め、幅広いバイクに乗ることができるため、一見すると最初から大型二輪免許を目指す方が得策に思えるかもしれません。しかし、実際には、想像以上に時間や費用がかかる場合があります。
この記事では、中型二輪免許と大型二輪免許を取得するために必要な期間や費用を比較し、どちらを先に取得すべきかについて詳しく解説します。
いきなり大型二輪免許の取得は可能?
大型二輪免許(正式には大型自動二輪車免許)は、排気量400ccを超えるバイクを運転するために必要です。この免許を取得すれば、大型バイクはもちろん、400cc以下の中型バイクや小型バイク、原動機付自転車も運転できるため、一見すると効率的に思えるかもしれません。
この免許の取得には、18歳以上で両眼の視力が0.7以上の条件を満たせば受験可能です。普通二輪免許を持っていなくても、大型二輪免許を直接取得することができます。費用や時間の面で有利に見えるかもしれませんが、実際にはいくつかの困難があるのです。
いきなり大型二輪免許を取得する前に知っておきたいこと
1. 教習所の受け入れ
条件を満たしていても、教習所がいきなり大型二輪免許の講習を受け入れてくれない場合があります。教習所では、初心者がいきなり大型バイクの講習を受けるのは困難とされ、まずは普通二輪の講習から始めるように勧められることが多いです。教習所の方針や設備によっては、まず普通二輪から受ける必要があるため、結果的に余計な時間や費用がかかることもあります。
2. バイクの扱いが難しい
大型二輪はその重量とサイズから、扱うのが難しくなります。例えば、教習所で使用されるホンダのNC750は総重量220キロで、転倒した際に自力で立て直すのが非常に困難です。初心者がいきなり大型バイクを扱うのは、肉体的にも技術的にも大変です。
3. 取得までの時間が変わらない
大型二輪免許の取得には、最短で16日間が必要です。一方、普通二輪免許なら9日で取得可能で、普通二輪を先に取得することで、後から大型二輪免許の取得も短縮されることがあります。基礎ができていれば、習得がスムーズになるため、結果的には普通二輪を先に取る方が効率的です。
4. 転倒やエンストのリスク
大型二輪車は車重やパワーが大きく、運転には高い技術が要求されます。特にマニュアルバイクでは、クラッチ操作やシフトチェンジなどの技術が必要です。転倒やエンストのリスクが高く、初心者がいきなり大型バイクを操作するのは危険が伴います。軽いバイクで技術を磨いてから大型バイクに挑戦する方が、リスクを低減できます。
5. 課題の難易度
教習所での課題走行(スラローム、一本道、クランクなど)は、大型バイクで行うと難易度が高くなります。バランスを保ちながら課題をクリアするのは大変で、特に重量のある車両ではより一層難しくなります。普通二輪を先に取得することで、これらの課題をスムーズにクリアするための基礎が身に付きます。
以上の理由から、いきなり大型二輪免許を取得するよりも、まずは普通二輪免許を取得してから大型免許に進む方が、効率的で安全です。自分に合ったステップで免許取得を目指した方が得策です。
中型免許を取得してから大型二輪免許を取得する方がよい?
大型二輪免許をいきなり取得することも法的には可能ですが、初めてバイク免許を取得する場合には、中型免許を先に取得する方が、期間や費用の面でもお得になることがあります。以下にその理由を詳しく解説します。
期間と費用の違い
大型二輪免許のみの取得と、中型免許から始めて大型二輪免許を取得する場合の比較を以下に示します。
- 大型二輪免許のみの場合(普通自動車免許あり)
取得期間: 最短14日程度
費用: 17万円〜28万円程度 - 中型免許+大型二輪免許の場合(普通自動車免許あり)
中型免許取得: 7〜11日程度
大型二輪免許取得: 6日程度
費用: 中型免許: 9万円〜15万円程度 + 大型二輪免許: 9万円〜14万円程度
中型免許を持っていると、教習所での学科講習が免除されたり、技能講習が短縮されたりするため、期間が短くなり、結果的に費用も抑えられる場合があります。
3. 延長費用と難易度
いきなり大型二輪免許に挑戦すると、その難易度の高さから取得までに期間が延びる可能性があります。その場合、追加の延長費用が発生することが多く、費用と期間が想定以上にかかることがあります。
4. 取得方法
初めてバイク免許を取得する場合、一発試験ではなく、教習所や免許合宿での学科講習と技能講習を受ける方が、スムーズに免許を取得できる可能性が高いです。確実に基礎技術を身につけてから試験に臨むことをおすすめします。
つまり、バイク免許の取得を効率よく進めるためには、中型免許を先に取得してから大型二輪免許に挑戦する方が、期間短縮と費用削減に繋がる可能性があります。
まとめ
大型二輪免許の取得は可能ですが、いきなり挑戦することにはリスクと難易度が伴います。
特に、バイクに対する基本的な技術や体力が未熟な状態で大型免許を取ると、費用や期間が予想以上にかかることもあります。そのため、まずは中型免許を取得し、基礎技術をしっかりと身につける方が、スムーズかつ経済的に大型二輪免許を取得できる可能性が高いです。
教習所でのプログラムや料金体系を事前に確認し、計画的に進めることで、安全で効率的な免許取得を目指しましょう。