バイクを運転する際、車検証のコピーを持っていれば安心と思っていませんか?
実は、バイクに限らず、車も含めて「車検証は原本の携帯が義務」と法律で定められています。
【結論】バイクの車検証はコピーでOK?⇒原則NGです
道路運送車両法第66条によれば、運行する車両には「自動車検査証(車検証)を備え付けることが必要」とされており、これはコピーでは代用できません。
つまり、コピーだけでは法的にはNG。検問や事故時に原本を提示できないと、「車検証不携帯」として違反に問われる可能性があります。
車検証のコピーを使うのは違法?
「原本を持ち歩くのが不安だから、コピーを携帯しておきたい」——気持ちはよくわかります。しかし残念ながら、車検証のコピーは法的には無効とされています。
● 車検証のコピーでは「備え付けた」とは認められない
前のセクションでも触れた通り、道路運送車両法第66条では「車検証を備え付ける」ことが求められています。この“備え付け”とは、検査証の原本を車両に備えることを意味しており、コピーや画像データなどでは代用できません。
● コピー提示で「不携帯」扱いになるケースも
実際の運用では、警察官や検査官が車検証の提示を求めた際にコピーしか提示できなければ、「車検証不携帯」として違反になる可能性があります。
罰則は【50万円以下の罰金】(道路運送車両法第109条)と定められており、決して軽く見ていいものではありません。
● 整備や任意保険の契約時はコピーが使われるケースも
例外的に、ディーラーでの点検・整備や、任意保険の手続きなどではコピーが使われることがあります。しかしこれは、運行時以外の話であって、走行中にコピーしか携帯していない場合には通用しません。
車検証を携帯していないとどうなる?罰則と実際の運用
「うっかり忘れた」「入れ替えたばかりで車内に置き忘れた」——そんなときでも、車検証の不携帯は法令違反と見なされます。では、具体的にどんな罰則があるのでしょうか?
● 法律上の罰則は「50万円以下の罰金」
道路運送車両法第109条には、車検証を備え付けていない状態(=不携帯)で運転した場合、50万円以下の罰金と明記されています。実際にすぐ50万円の罰金が科されるケースはまれですが、違反として記録に残る可能性があります。
● 運用上は「警告」や「後日の提示指示」で済むことも
とはいえ、実際の取り締まり現場では、警察官の裁量で「注意のみ」や「後日、警察署に持参するように指示される」ケースも少なくありません。ただし、これはあくまで警察官の判断によるものであり、必ずしも見逃してもらえるとは限りません。
● 違反が重なると厳しくなる可能性も
たとえ1回目は見逃されたとしても、繰り返すと「悪質」と判断され、厳しい処分に発展する可能性があります。また、車検証の不携帯は車検切れや名義トラブルの隠蔽と疑われることもあり、不審車両として扱われるおそれもあるため、注意が必要です。
車検証の保管場所のおすすめは?安全で取り出しやすい場所
車検証はいつでも提示できるように、車内に保管しておく必要があります。とはいえ、どこに保管するのがベストなのか、悩む方も多いのではないでしょうか?ここでは、安全性と利便性の両面から、おすすめの保管場所を紹介します。
● 一番多いのは「グローブボックス」
最も一般的なのは、助手席前のグローブボックス。車検証ケースごとすっぽり入れられるため、保管に困ることはありません。また、盗難防止のために鍵がかけられるタイプもあります。
● 車検証ケースに入れて整理整頓を
純正の車検証ケースや、市販のファイルを利用すれば、自賠責保険証や整備記録簿などとまとめて収納でき、いざというときに探しやすくなります。紙類の劣化や散乱を防ぐうえでも便利です。
● 保管場所の注意点
- 座席の下やドアポケットなど、見えにくい場所に入れるのは避けた方が無難です。いざというときに取り出しにくく、紛失や盗難のリスクも高まります。
- また、ダッシュボード上やリアガラス付近など、直射日光が当たる場所もNG。長期間放置すると、紙が焼けたり変形したりする恐れがあります。
● 万が一のために、コピーを別途保管するのも◎
念のため、車検証のコピーを自宅に保管しておくと安心です。原本の紛失や盗難に備えたり、万一車が盗難に遭った際にも、コピーがあると警察への説明がスムーズです。
車検証と間違えやすい書類に注意!自賠責保険証明書との違いとは?
車に関する書類は似たようなものが多く、「これって車検証?」と勘違いしてしまう人も少なくありません。中でもよくあるのが、自賠責保険証明書との混同です。ここでは、それぞれの違いと役割をわかりやすく解説します。
● 車検証(正式名称:自動車検査証)
- 国が発行する「車両の身分証明書」のようなもの
- 車の登録番号(ナンバー)、所有者、使用者、車両のスペックなどが記載
- 公道を走るために必須で、常に車内に携帯する義務あり
- 再発行は陸運局で可能
● 自賠責保険証明書
- 通称「強制保険」。加入が義務付けられている最低限の自動車保険
- 保険の契約内容や有効期間が記載されている
- 車検時にも提示が必要
- 携帯義務はあるが、車検証とは別書類
● ICタグ付きは見た目も違う
車検証は近年、ICタグ付きの薄いカード型(電子車検証)に変わってきています。一方で、自賠責保険証明書はA4または小さめの紙の書類で、保険会社名や保険期間などが中心に書かれています。
● 書類を一括保管しておくと安心
車検証・自賠責保険証・整備記録簿などは、専用の車検証ケースにまとめて保管しておくのがベスト。出先での提示や、万一の事故の際にもスムーズに対応できます。
ICタグ付き車検証に変わったけど、どう変わった?注意点は?
2023年1月から、車検証が「ICタグ付きの電子車検証」に順次切り替わっています。すでにこの新しい車検証を手にしている方も多いかもしれません。ここでは、従来の紙の車検証と何が違うのか、注意点はあるのかをわかりやすく解説します。
● 見た目がカード型に!
従来のA4用紙サイズの車検証から、クレジットカードより少し大きめのサイズへ変更。持ち運びや保管はラクになりましたが、印刷されている情報は一部に限られます。
● 情報はICチップに格納
表面に記載されている情報は、ナンバー、車台番号、有効期限など最小限にとどまり、詳細情報はICチップに保存されています。そのため、詳細を確認するには「車検証閲覧アプリ」や読み取り機器が必要です。
● アプリや端末がないと見られない情報も
整備記録や所有者変更の履歴など、以前は紙で確認できた情報がICチップ経由でしか見られなくなった点に注意。スマホ用の無料アプリを入れておけば、ある程度の情報は自分でもチェック可能です。
● 紛失・破損には注意!
ICチップ付きといっても、物理的にはただのカード。高温や折り曲げ、水濡れなどで破損するリスクもあるため、車検証ケースに入れて丁寧に保管しましょう。
まとめ:車検証は必ず携帯!万が一のときのためにチェックを忘れずに
車検証は法律で携帯が義務づけられている大切な書類です。紙の車検証からICタグ付きカードへと変わりつつありますが、携帯義務は変わりません。
- 車検証がないと違反となり、罰則の対象になることもあるので、必ず車内に携帯しましょう。
- ICタグ付き車検証はコンパクトで持ちやすくなりましたが、破損や紛失に注意してください。
- もし車検証の詳細情報を確認したい場合は、スマホアプリを使うなど準備しておくと安心です。
万が一のトラブルや警察の検問時にスムーズに対応できるよう、日頃から車検証の有無と状態をチェックしておきましょう。